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【わたしの失敗】政治評論家・三宅久之さん(77)(3)

2007.10.18 03:34
このニュースのトピックスわたしの失敗

 ■寝過ごして番組に遅刻

 政治評論家として新聞やテレビに登場する機会が多い三宅だが、記者時代にもラジオ番組を担当していた。週1回、午前7時からの30分枠で、各紙朝刊の紙面を紹介する番組だった。代々毎日新聞の記者が担当していて、三宅は平記者から政治部副部長(デスク)時代まで10年以上続けた。新聞の解説が中心で、各紙の取り上げ方の違いやねらいを説明するように心がけた。

 記者時代は、午前0時前に帰宅することはめったになく、デスクになると2時を過ぎる。

 昭和40年代の冬のある日、デスクだった三宅は仕事を終え、いつものように未明の2時半ごろ帰宅し、眠りについた。

 朝、はっと目が覚めた。この日はラジオ番組出演の日。普段なら5時に家を出て、6時から局で朝刊6紙に目を通し、本番に備える。

 時計を見ると6時を過ぎている。目覚まし時計をセットし忘れていた。「大変だ!」。パジャマの上からズボンをはき、背広を羽織って家を飛び出した。まだ暗い中、表通りに出てタクシーを探すが、こんな時に限ってつかまらない。

 ようやく車に乗り込んだのが7時前。世田谷区の自宅から港区にあるラジオ局へと急いだが、いつも以上に赤信号に引っかかる。「車内で足踏みするような心境でね」。時は無情に過ぎる。「運転手さん、ラジオ!」。自分が出ているはずの時刻に、代役がつっかえながら話していた。

 到着したのは、番組が終わったときだった。駆け付けた三宅の奇妙な格好を見て、みな苦笑いを浮かべた。

 「後にも先にもこんなことは1回きりだったんだけれども、どの仕事でも大事にやろうという姿勢だけは持っていたので自分自身でも信じられなかった」。苦い経験は、改めて生活を律するきっかけとなった。今もテレビ出演や講演の際には1時間以上は余裕をもち、遅くても30分前には到着している。

 「評論家業をやっていてつくづく思うのは、テレビ出演でも講演でも、1回1回を大事に思って出るからこそ後が続くんだと思う。あの出来事は、私のその後の人生の非常な教訓になりましたね」。きまじめな三宅らしい戒めとなった。=敬称略(池田祥子)

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