ニュース: 文化 RSS feed
卑弥呼の献上品?邪馬台国時代のベニバナ花粉みつかる
女王卑弥呼(ひみこ)で知られる邪馬台国の有力候補地、奈良県桜井市の纒向(まきむく)遺跡で、3世紀前半の溝跡にたまった土から大量のベニバナ花粉が見つかり、市教育委員会が2日、発表した。織物の染料とみられ、国内で確認された最古の例。
「魏志倭人伝(ぎしわじんでん)」によると、243年、卑弥呼が魏に赤や青の織物を献じたと伝えている。当時の大陸との交流を考える貴重な資料になりそうだ。
エジプトや西アジアが原産のベニバナは、中国などから日本に伝わったとされ、これまで6世紀後半の藤ノ木古墳(奈良県斑鳩町)の石棺から花粉が見つかっていたのが最古だった。
市教委は「中国との直接的な行き来の中で、最新技術だった染織が持ち込まれたのだろう。指導役の工人が来て栽培までしていたかもしれない」としている。
市教委が依頼した奈良教育大の金原正明准教授(環境考古学)が分析。溝跡(長さ6メートル以上、幅1・5メートル、深さ1メートル)の土に、1立方センチ当たり270−560個の「自然では驚異的な数」(同准教授)のベニバナ花粉が検出された。金原准教授によると、当時、国内の他の地域ではベニバナの花粉は見つかっていないという。
ベニバナの染織は、水溶性の黄色の色素を水で洗い流し、残った赤い色素で染めるが、花粉はこの廃液に含まれていたと推定した。溝の約150メートル上流は神殿建物跡などが出土した纒向遺跡の中枢で市教委は組織的な工房があったとみている。
纒向遺跡は箸墓古墳などの前方後円墳が点在する巨大集落跡で、初期大和王権につながるとされる。


