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「何だって可能さ」 稲妻ボルトはどこまで記録を伸ばすのか
このニュースのトピックス:世界新記録
「何だって可能だと思っているよ」。16日の男子百メートルを驚異的な世界新記録9秒69で制したボルトは、二百メートルの世界記録更新に向けてこう言い切った。もちろん百メートルへの可能性への言葉でもあった。
スタートの反応時間は0秒165で8人中7番目。くしくも準決勝の反応時間と同じで、「技術的には完璧(かんぺき)だった。スタートに集中した」という言葉とは裏腹に、決してスタートはうまくない。それを196センチの長身を生かしたダイナミックな走りがカバーしており、改善の余地は十分にある。
筑波大の阿江通良教授は「あの長身だけにもっとストライドは伸びる。だが、ストライドを数センチ抑えてピッチを維持している」と指摘する。ストライドを伸ばすことは減速要因ともなるだけに、ボルトはストライドをやや抑えて脚の回転数を維持することで驚異的な走りを可能としているのだ。
いかにしたらより速く走れるか。単純化すれば、スタートから立ち上がりよく一気に加速して最高速度にじりじりと近づき、速度を維持し、減速を最小限に抑えることがより速く走る方法だ。最高速度に到達する地点は日本選手では60メートル付近だが、海外のトップ選手で70メートル付近で、ボルトはまさにそうした走りに近いといえる。
また追い風1メートルで0・067秒タイムは縮まる。百メートル決勝は無風だったが、公認限度の2メートルの追い風が吹いていれば…。観客席を向いて両手を広げ、胸をたたきながらの余裕のゴール。終盤20メートルを流したボルトは「流していなければ? 分からないが、9秒60は出た、と言われたよ」。21歳はどこまで記録を伸ばすだろうか−。(金子昌世)






