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素直な水泳少年のままの世界最強・北島 その涙のワケは… (1/3ページ)
野獣のような鋭い眼光で世界新と金メダルをつかんだ男が一転、流れる涙で声を詰まらせた。「すいません。何もいえない…」。11日、北京五輪百メートル平泳ぎで連覇を果たした北島康介(25)。少年時代の恩師たちは、誰も北島が泣いたところを見たことがなかった。それほどの重圧だった。「この五輪があると思って努力してきた」。再び世界の大舞台の頂点に達した男は、少年時代から前向きに努力し、周りの意見を素直に聞く子供だった。世界最強の男が水泳に取り組む姿勢は、少年時代と何ひとつ変わっていなかった。
初めての涙
世界記録を0・22秒も縮める新記録で金をもぎとった北島。「強かったですねえ」と、インタビュアーに問いかけられると、テレビカメラの前で、あふれる涙を白いタオルで覆った。
北島が通っていた私立本郷高(東京都豊島区)で担任だった西川路健児さん(58)は驚いた。「あいつが泣くところを初めて見た」。高3でシドニーに出場し、メダルに届かなかったときも涙を見せなかったからだ。
「あいつはつらかったり、苦しかったりして泣くタイプじゃない。達成感で泣くんだと思う。アテネ以降の4年間、重圧に苦しんで苦しんで。あの涙はその達成感ではないか」
文京区立千駄木小で、5、6年の担任だった戸崎由美子さん(55)も北島少年の泣き姿の記憶がない。
小学生時代の北島は体がひょろひょろでみんなを喜ばせることが好きだった。「サービス精神が旺盛な子だから、アテネときも“ちょー気持ちいい”と言ったんだと思う。だから、また特別なせりふが出るのかなと思っていた。涙はこの4年間のプレッシャーや思いが相当大きく、ほっとしたあらわれでしょう」
インタビュアーはアテネのときようなせりふを求めた。
「アテネ以上にチョー気持ちいいです」。涙声で応じた。控室に戻る際、「言わされちゃいましたよ」
サービス精神は今も変わらない。













