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追い風の佐藤愛子に落とし穴 右ひざ靭帯けがも
このニュースのトピックス:柔道
周りで相次いで強豪が倒れ、佐藤に追い風が吹いていた。だが、地元の中国選手との戦いに落とし穴が待っていた。
3回戦、許岩を大内刈りで投げて効果を奪った。相手は組み手を嫌って下がるだけ。佐藤は相手をつかまずに無理筋の背負い投げを放つ。残り約50秒。背負い投げはすっぽ抜け、「掛け逃げ」で2つ目の指導を受けて勝利がこぼれ落ちた。
女子の日蔭監督は「自分の間合いで戦う選手は、きっちり勝ち上がっている」。逃げる許が指導を取られないのは、地の利か。相手は計算ずくで逃げていた。
敗者復活最終戦は、バンティケルトに一瞬のすきをつかれて払い腰で一本負け。右ひざが内側に折れ、靱帯(じんたい)まで痛めた。頂点どころか、最悪の結末。痛さと悔しさで顔がゆがんだ。
実家は北海道名寄市のもち米農家。人柄に家柄がにじむのか、競技人生では粘り気を見せてきた。52キロ級時代、高校生で講道館杯を制した早熟ぶり。その裏で8キロ近い減量に泣き、試合前の数日間をあめ玉1個で過ごしたこともある。非力を補う寝技は母校筑波大の伝統芸。地味でも、獲物を離さない迫力がある。
「団体行動は苦手」といい、1人が性に合う。3年前の57キロ級転向も一人で決めた。自宅では3匹の亀が話し相手。あるコーチに「亀はお前そのもの」と笑われたが、「そうかもしれない」。担架で運び出され、志半ばで畳を降りた。日本に帰れば、地道な歩みでやり直しだ。(森田景史)



