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ダルビッシュはピリッとせず
このニュースのトピックス:五輪とメディア
「あんなに悪いダルビッシュは初めて見たよ」。星野監督が思わず苦笑いを浮かべた。予定の3回を4安打2失点。150キロを超える球はなく、制球にも四苦八苦。日本のエースと呼ばれるまでに成長した右腕の本来の姿ではなかった。
日本代表の守備の際だけ滑りやすい五輪使用球が用いられたが、指のかかりが悪かったのか抜け球が多かった。合宿から投球練習でも1球ごとにいろんな球種を試し、「調整は順調」と話してきたが、この日は球を“こねて”指になじませる作業をしなかっただけに、「ボールへの対応は確認します」と大野投手コーチは課題を口にした。
指揮官は選考前から「ジャパンの中でも群を抜いている」と、ダルビッシュの先発起用だけは明言してきた。1次リーグ最大のヤマ場となる初戦のキューバ戦は13日に迫っているが、中4日での先発も可能。「キューバ戦は左投手がいいかな」と報道陣をけむに巻くが、メダルの行方を左右する大一番でエースを起用するのは間違いない。
「抑えて当たり前という目で周りから見られるのは辛いやろうな」と指揮官は同情も寄せるが、ダルビッシュは「日の丸を背負う重圧は感じない」と繰り返す。ボールへの言い訳もすることなく、「本番ではしっかり投げられると思うので心配しないでください」との言葉を残した。
金メダルの重圧から五輪では悔しい思してきた日本にとって、クールにそう言い切れるエースの存在は頼もしい一面でもある。(丸山和郎)


