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【114の金物語】(59)体操・男子種目別平行棒 加藤沢男
このニュースのトピックス:114の金物語
□1972年ミュンヘン大会
■疲労ピーク 得意種目で意地
団体で4連覇、個人総合で2連覇と五輪史を塗り替えた加藤沢男の疲労は濃かった。メキシコ大会後は、腰や肩、ひじなどのけがに泣かされ、ミュンヘンに来ても練習で器具に向かうたびにみけんにしわを寄せていた。
男子体操最終日の種目別決勝。最初の床運動で軽く尻もちをついて9.20にとどまり、最下位の6位に終わった。あん馬では銀を取ったが、続くつり輪、跳馬は本調子にほど遠く、メダルを逃した。本来の演技ができたのは平行棒だった。
オールラウンドの強さがなければ個人総合は取れない。特殊なバランス感覚が求められる平行棒を鍛えることで体操技術全般を高めていた加藤にとって、平行棒は安心して演じられる種目だった。完璧(かんぺき)な内容で9.80の高得点。2位に笠松茂、3位は監物永三と、個人総合に続き日本選手が表彰台を独占した。
「体操が好き」という加藤だが、金メダルを獲得した後には「くたびれた。早く宿舎に帰ってぐっすり眠りたい」と正直な感想を漏らした。

