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アトランタ五輪(上)「私には夢がある」 (3/3ページ)
このニュースのトピックス:テロ・事件
《冷戦が終わり、世界は大きく2つに引き裂かれるかわりに、あちらこちらの小さな亀裂から血を流している。その中で五輪史上最多の197カ国・地域から1万人を超える選手が参加し、開会式では1時間55分もかけて行進した》
行進の時間は4年前のバルセロナ五輪より35分も長かった。希望もあった。カンボジアからは24年ぶりに選手団が参加し、ポルポト政権の圧政から「生きて戻った」と語っている。
聖火台に火がともされた後、カナダ出身の女性歌手、セリーヌ・ディオンさんが歌った曲のタイトルは「Dream of Power(夢の力)」だった。夜空にあかあかと輝く聖火台。その炎をともす栄誉を担った聖火リレー最終走者は誰だったのか。
アトランタの夜は日本の昼。選手団の大行進でも分かるように開会式の進行は遅れに遅れ、夕刊の最終版締め切りが刻々と迫る。聖火がスタジアムに入ってからもまだ、走者が代わるので、うかつに「この人が最終走者」と打つことはできない。プロボクシングの世界チャンピオン、イベンダー・ホリフィールドが姿を現した。彼か! いや、まだいるようだぞ。誰なんだ一体。やきもきするうちに締め切り時間は過ぎ、「後は翌日の朝刊だ」と思ったところで、予想もつかない人物が姿を現した。
スタンドは息をのみ、産経新聞アトランタ五輪取材班のキャップとして、プレスセンターで会場中継のモニター画面を見つめていた私も「ええっ」と思わず声をあげてしまった。ミッチェル氏は聖火リレーという最も注目度の高いイベントの最後の最後に、周到にサプライズを用意していたのだ。=敬称略(現編集局編集委員 宮田一雄)















