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バルセロナ(上)地中海から発信した「日本」 驚いた岩崎、記憶に残る有森 (1/3ページ)

2008.7.3 08:00
このニュースのトピックス五輪とメディア

日本選手団入場行進。旗手はバレー女子の中田久美日本選手団入場行進。旗手はバレー女子の中田久美

 「冷戦終結後、初の夏季五輪」として歴史に刻まれた祭典は、日が落ちても暑い地中海の風の感触とともに記憶の中にある。1992年のバルセロナ大会は、今ふりかえると、不思議に「日本」の存在を世界に印象づけたオリンピックであったように思う。

 バルセロナ市内にあるオリンピック体育館は、ポストモダンの代表的な日本人建築家、磯崎新(あらた)が設計した。これは一例にすぎない。

 7月25日夜(現地時間)に行われた開会式で、画家ピカソや建築家ガウディなど幾多の芸術家を輩出したこの街から、際立った日本の芸術性が世界に発信された。

 交易都市・バルセロナ発祥の伝説を題材にしたマスゲーム。主題曲「地中海」を作曲し、自らタクトを振ったのは坂本龍一だった。

ワレンティナ・エゴロワとの6キロに及ぶ死闘の末、銀メダルを獲得した有森裕子ワレンティナ・エゴロワとの6キロに及ぶ死闘の末、銀メダルを獲得した有森裕子

 古代ギリシャ神話の英雄ヘラクレスが大地を割って地中海をつくったという叙事詩をモチーフにした、荘厳かつモダンな曲だった。熱演23分。オリンピック・スタジアムを埋め尽くした6万5000人の観衆を前に、坂本はフィナーレで両手を高々と突き上げた。

女子200メートル平泳ぎのレースに臨む岩崎恭子。よもや金メダルを獲得するとは、誰もが予想していなかった女子200メートル平泳ぎのレースに臨む岩崎恭子。よもや金メダルを獲得するとは、誰もが予想していなかった

 日本以外の国でのオリンピック開会式で、これほど「日本」の存在感が発揮されたのは初めてだろう。

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 世界を驚かせた出色の日本人金メダリストは、当時14歳になったばかりの女の子だった。競泳の女子200メートル平泳ぎ決勝で、自己最高を大きく上回る五輪新記録を出した中学2年生、岩崎恭子である。

 「信じられない。すごいことしちゃった」

 身長157センチ、45キロ。おかっぱ頭にくりくりした目の岩崎は表彰台で涙をぬぐった。

 本人が驚いたのも無理はない。岩崎は日本選手団の中でも無名といっていい選手だった。日本オリンピック委員会(JOC)が用意した選手プロフィルにも岩崎の資料はなく、われわれ取材班はおおいにあわてたものだ。

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バルセロナ五輪野球の台湾戦で力投する杉浦正則
男子400メートル個人メドレーで藤本隆宏の平泳ぎ
男子体操・床で銀メダルを獲得した池谷幸雄
女子200メートル平泳ぎでよもやの1位となった岩崎恭子。平泳ぎではベルリンの前畑秀子以来、56年ぶりの金メダルとなった
女子200メートル平泳ぎでよもやの金メダルを獲得した岩崎恭子
女子200メートル平泳ぎで金メダルを獲得、表彰台の岩崎恭子
女子200メートル平泳ぎのレースに臨む岩崎恭子。よもや金メダルを獲得するとは、誰もが予想していなかった
ワレンティナ・エゴロワとの6キロに及ぶ死闘の末、銀メダルを獲得した有森裕子
ワレンティナ・エゴロワとの6キロに及ぶ死闘の末、銀メダルを獲得した有森裕子
ワレンティナ・エゴロワとの6キロに及ぶ死闘の末、銀メダルを獲得した有森裕子
酷暑のなか、レース序盤でリードしながら最後は30位でゴールした女子マラソンの小鴨由水
女子100メートル自由形に出場した千葉すず
日本選手団入場行進。旗手はバレー女子の中田久美
女子バレーの日本対米国。山内美加(8)のスパイクが米国のブロックを抜く。右は大林素子(5)=共同
米国に3対2で競り勝って喜ぶ日本女子バレー代表
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