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「前代未聞の悪質な事件」 医師宅放火調書漏洩事件の論告要旨
奈良県田原本町の医師(50)宅放火殺人の供述調書漏洩(ろうえい)事件で、24日開かれた精神科医、崎浜盛三被告(51)に対する論告求刑公判での検察の論告の主な内容は次の通り。検察側は同罪の最高刑となる懲役6月を求刑した。
■第1 事実関係(略)
■第2 告訴の有効性
告訴権者は秘密を漏示されたことで直接的被害を被ったものと解される。被告は奈良家裁から鑑定業務を委託され秘密を知った。その秘密には長男や医師の家族歴などが含まれており、医師も告訴権者である。医師は少年審判で長男の付添人だった弁護士に告訴などの法的対応を相談しており、このことは弁護士と医師の証言から明らか。
■第3 被告は医師
医師とは医師国家試験に合格し、国から免許を受けたもので、被告は該当する。裁判所が依頼した鑑定事項も「少年が本件非行に及んだ精神医学的背景」となっている。そして、鑑定に際して医師でなければできない診断を行っている。同家裁も被告の医師としての資格に着目して鑑定を依頼している。
■第4 秘密の定義
秘密とは「一般に知られていない事実で、他人に知られないことで本人の利益となるもの」とされる。長男の供述調書や生育歴、成績や鑑定結果は該当する。一般人から見ても他人に知られないことが利益と認められる。
■第5 行為の違法性
【長男や医師のプライバシー侵害】
被告が鑑定を命じられたのは長男の精神鑑定。長男の殺意の有無や広汎性発達障害に対する世間の認識と理解を正すことなどは裁判所から求められていない。本来の職責を離れた身勝手な理由で秘密を漏らしたもので少年法が定めた少年審判の非公開や少年の更生のための精神を破壊した。
【正当性がない】
被告は精神鑑定中、長男や医師と面談し、供述調書を閲覧させることの了解を得られたのにしていない。また、自ら立ち会わず無制限に草薙さんらに閲覧させている。広汎性発達障害に対する世間の認識を正すためには問題点を明示すべきなのに、無関係な長男の供述調書を見せている。
■第6 情状
【犯行態様】
少年事件の全記録を閲覧させた前代未聞の事件。自らの判断に基づき行っており、長男や医師の気持ちを一顧だにしない身勝手かつ自己中心的な犯行。「信念に基づき後悔していない」と法廷で述べるなど真摯(しんし)な反省の態度が見られない。
■第7 求刑(略)