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【君たちのために 元家裁判事のつぶやき】(88)漫画「家裁の人」の桑田判事を地でゆく作家の毛利さん (1/2ページ)
毛利甚八著「少年院のかたち」(現代人文社・1700円)1冊を読むだけで、非行少年や少年院の法務教官のことがずいぶんよく分かる。
毛利さんは、昔「家栽の人」という家事・少年事件を扱う家裁の桑田義雄判事が主人公の漫画の原作を書いた。「こんなすてきな裁判官が実在するのだろうか」といぶかしく思いつつも、全国の生身の裁判官や調査官、書記官、調停委員やその家族が競ってこの漫画を読んだ。物語は迫力があり、面白く感動的で、私もすぐにこの漫画のファンになった。「愛読書は『家栽の人』」と公言する高等裁判所長官もいた。
ところで毛利さんは、「家裁少年審判部」(全司法労働組合編)という地味な本1冊と、少年法22条の「審判は、懇切を旨として、なごやかに、これを行わなければならない」という条文だけをよりどころにして、後は「想像」でこの物語を書いたという。このことを知って、「作家」が言葉を紡ぐ能力の巨大さにしびれた。
6年前、「少年問題ネットワーク」でともに活動する間柄になっていた毛利さんがわが家を訪れた。
「非行少年は変わる。法務教官が立派に手助けをしている」ことを社会に説明するためには、毛利さんの天賦の筆力を役に立たせない手はないとひらめいた。そこでお薦めして「少年院の篤志面接委員」になっていただいたのが、まんまと当たり、今回の出版につながった。とてもうれしい。
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