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【あと1年で裁判員(2)】「審理迅速化」の犠牲も…「精密司法」との決別 (2/3ページ)
このニュースのトピックス:強盗事件
公判前整理手続きの重視…初公判前に「判断前提」が創られてしまう危険性も
今年3月、裁判員裁判をにらんで初公判から判決までを3日間の集中審理で行う試みが、実際の強盗致傷事件を対象に東京地裁で開かれた。
まず、公判前整理手続きで検察側の立証事実を5点に絞り込んだ。
従来なら判決までに10回程度の期日が必要だった事件は3日で終了、判決言い渡しはわずか10分程度で済んだ。想定通りのスピード審理だ。
だが、弁護人は集中審理による負担増を表明、検察側も公判前整理手続きでの争点の絞り込みに調整が必要との認識を示し、一定の課題も残した。
「約9割の事件が5日以内に終了すると見込まれる」
最高裁がパンフレットなどでうたう裁判員裁判の迅速化。法曹関係者の中には、その迅速化の流れを懸念する見方がある。
「裁判員に負担をかけないということを重視するあまり、裁判官が公判前整理手続きで自分たちの視点で争点を絞り込み、公判の設計図を作る危険性が考えられる。そうなると、『有罪か、無罪か』の前提が、初公判前にできてしまうことになる」
そう指摘するのは、甲南大法科大学院の渡辺修教授(刑事訴訟法)だ。
日本弁護士連合会(日弁連)裁判員制度実施本部委員を務める岡慎一弁護士も「裁判所は短い時間で公判を終えると強調しているが、納得するまで話し合う必要のある評議もある。裁判員の負担軽減を重視しすぎて、裁判官が評議をリードして裁判所の判断に従わせる恐れもある」と指摘する。



