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【あと1年で裁判員(2)】「審理迅速化」の犠牲も…「精密司法」との決別 (1/3ページ)

2008.5.5 13:26
このニュースのトピックス迫る裁判員制度

 

裁判員制度のスタートで消える従来の「精密司法」

 「従来の法廷は記録をやり取りする場だった。その記録を眺め、判決では検察官が主張していない点まで言及する。判決を書くのに2、3カ月かかった」

 あるベテラン裁判官は、これまでの刑事裁判をそう述懐する。

 担当したある事件は判決までに約5年かかったという。警察、検察は犯行前の被告の行動、犯行後の被告の足取りまでしらみつぶしに調べた。その結果、事件の記録はロッカー数段分にも上った。

 審理中はそのことを不思議には思わず、判決文を書く段になって初めて気が付いた。

 「必要な部分は限られている。5年の審理のうち、どれだけ必要だったかと考えると、1年分ぐらいだったかな」

 「精密司法」−。

 起訴事実以外の被告の行動など事件の細部にまでこだわり、精緻(せいち)な立証を尽くす従来の刑事裁判の手法を、法曹関係者はこう呼ぶ。

 しかし、それは時には重箱の隅をつつくような反証を招き、いたずらに審理に時間をかけるというマイナス面もあった。

 その精密司法は、裁判員制度のスタートとともに過去のものとなる。裁判員となる一般国民の負担を減らすため、迅速な審理に重点が置かれるからだ。

 初公判前には証拠を整理して争点を絞り込む公判前整理手続きが行われ、審理は従来より格段にスリム化される。

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東京地裁で4月に行われた模擬裁判。裁判員制度の開始まで、いよいよあと1年を切った(代表撮影)
模擬裁判の審理後に行われた評議。裁判長(手前左から2人目)の話に耳を傾ける裁判員たち=4月14日、東京・霞が関の東京地裁(代表撮影)

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