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【あなたはどう裁いた?】歌織被告に「無期・死刑」が最多 厳罰求める傾向が顕著 (5/5ページ)
元裁判官で法政大法科大学院の木谷明教授(刑事法)は、「裁判官は審理を通じて被告の顔を見て、酌むべき事情も分かってくる。もちろん犯罪には賛成できないが、被告の気持ちに通じたり、感情を理解できたりすることはある。だから検察側の主張より軽くなってくる。被告の顔を全く見ていないない人が、犯罪行為の重大性だけをみて厳しくなるのは当然だ」と話す。
神戸連続児童殺傷事件の少年審判も担当した元裁判官の井垣康弘弁護士は、「普通の市民が被害者や遺族の気持を想像することは可能だが、加害者の立場に寄り添って物を考えることは大変難しいと思われる。重い罪を犯した『ややこしい』加害者を、なるべく長く社会から遠ざけようとの意見が簡単に多数を占めて、これが世論となり裁判所を包囲すると、厳罰化に進むだろう」と指摘する。
一方で井垣弁護士は、裁判員が今回のアンケート結果と同じように厳しい判断を示しても、それに同調するプロの裁判官が1人でも出てこないと厳罰にはならない、ともいう。
「だからこそ、裁判員にとってプロの裁判官を説得するのはとてもやりがいがあると思う。逆にプロからすると、アマチュアを説得するのはスリルのある仕事だ」
精神鑑定結果が事実上退けられた今回の判決については、「医師(鑑定人)から猛烈な反発があると思う。嘆くだけで終わるか、裁判員も含めて説得できる説明方法を開拓するのか、今後の医師たちの『戦い方』が見もの」とした。
「いろいろな意見が出ること自体は、『国民の感覚を生かす』という裁判員制度の趣旨からしても、意義のあることだ。ただ、マスコミ報道が厳罰化を推し進めている場合もあるので、裁判員が感情だけに流されないよう、客観的な報道が求められる」と強調するのは日大法科大学院の板倉宏教授(刑法)だ。
学習院大の藤竹暁名誉教授(メディア論、大衆心理)は、「無期や死刑を選択した人が多いといっても、裁判員になったときに同じような結論を出すとは限らない。インターネットの場合は責任がないので、感情的に判断した結果も含まれるだろう」とみており、「今回の事件が裁判員制度の対象になっていれば、懲役15年の実刑という判決と同じように、意外と妥当なところに落ち着くのではないか」と感想を話した。
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