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【光市母子殺害判決の要旨(9)完】「極刑はやむを得ないというほかない」 (1/5ページ)
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(3)酌量すべき事情について検討する
(ア)被告人には前科はもとより見るべき非行歴もない。幼少期に、実父から暴力を振るわれる実母をかばおうとしたり、祖母が寝たきりになり介護が必要な状態になると排泄(はいせつ)の始末を手伝うなど、心優しい面もある。
(イ)被告人は幼少期より実父から暴力を受けたり、実父の実母に対する暴力を目の当たりにしてきたほか、中学時代に実母が自殺するなど、生育環境には同情すべきものがある。また、実父が年若い女性と再婚し、本件の約3カ月前には異母弟が生まれるなど、これら幼少期からの環境が被告人の人格形成や健全な精神の発達に影響を与えた面があることも否定できない。もっとも、経済的に問題のない家庭に育ち、高校教育も受けたのであるから、生育環境が特に劣悪であったとはいえない。
(ウ)被告人は犯行当時18歳と30日の少年であった。少年法51条は犯行時18歳未満の少年の行為については死刑を科さないものとしており、被告人が犯行時18歳になって間もない少年であったことは量刑上十分に考慮すべきである。また、被告人は高校を卒業しており、知的能力には問題がないものの、精神的成熟度は低い。
(エ)弁護人は刑法41条、少年法51条などを根拠として、少年の刑事責任を判断する際は、一般の責任能力とは別途、少年の責任能力すなわち精神的成熟度および可塑性に基づく判断が必要となる旨主張し、精神的成熟度がいまだ十分ではなく、可塑性が認められることが証拠上明らかになった場合には、死刑の選択を回避すべきであるなどと主張する。
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