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【光市母子殺害】死刑か無期懲役か 緊迫の法廷に響く「判決理由」 (1/2ページ)
「主文は後回しにして、先に理由の朗読から始めます」。重々しく告げる楢崎康英裁判長。山口県光市の母子殺害事件で22日、殺人などの罪に問われた男性被告(27)=事件当時(18)=に厳刑が言い渡される公算が大きくなった。満員の法廷で、淡々と判決理由の朗読が続く。果たして言い渡されるのは死刑か無期懲役か、それとも−。廷内ではだれもが固唾をのんで見守っている。
本村さんはこの日午前9時40分、これまでの公判と同様に風呂敷に包んだ遺影を左脇に抱え、広島高裁に到着。ダークスーツに白いシャツ、ブルーのストライプのネクタイ。通行人らに「がんばって」と声をかけられると、会釈して庁舎に入った。法廷ではじっと目を閉じ、開廷を待った。
午前10時、楢崎裁判長が口を開く。「主文を後回しにして…」。その瞬間、何人もの記者が法廷から飛び出し、声が途切れた。本村さんもいったん目を開けたが、再び閉じる。その後はひざの上の遺影を抱きかかえたまま、判決理由の朗読に耳を傾けた。
2度の「無期懲役」を経て「死刑相当」へ。本村さんは揺れ動く司法に翻弄(ほんろう)されてきた。
平成12年3月22日の1審・山口地裁判決。前日には「死刑が出なければ命をもって抗議しよう」と遺書を記した。果たして判決は無期懲役。記者会見では感情のおもむくまま、「司法に絶望した。(死刑にしないなら)被告を早く社会に出してほしい。私がこの手で殺す」と涙を浮かべた。
「死刑相当」として審理を差し戻した18年6月の上告審判決の後も、「最高裁自ら死刑という判決を下してほしかった。これから下級審でどれだけの歳月が流れるのか」と徒労感をあらわに。そして始まった差し戻し控訴審。「事件の真相を知りたい」と傍聴を続けたが、弁護側の新たな主張は遺族として耐え難いものだった。