ニュース: 事件 RSS feed
【4度目の判決 光市事件が問うたもの(上)】被害者を取り巻く環境 (1/4ページ)
このニュースのトピックス:刑罰
なにも変わらない、いつもと同じ夜のはずだった。
平成11年4月14日。山口県光市の会社員、本村洋(32)は残業を終え、前年の夏から暮らす社宅へと向かった。学生結婚した妻、弥生=当時(23)=との間に生まれた長女の夕夏(ゆうか)=当時11カ月=は、まもなく1歳の誕生日を迎える。この日の朝も、2人で出勤を見送ってくれていた。だが、それが本村が見た2人の最期の姿となった。
開いたままの玄関の鍵。真っ暗な室内。帰宅して目にしたのは押し入れの座布団の間に押し込まれ、冷たくなった弥生だった。「素人でも何をされたか分かる」状態だった。夕夏の姿は見当たらない。後に警察から、遺体が天袋で見つかったと知らされた。4日後、近くに住む18歳の少年が逮捕された。当時の心境を本村はこう述懐している。
「妻と娘のために何をすべきだったのか、今でも苦しむ。事件が静かに忘れ去られていくのがいいのか、それとも声を上げて社会に問題点を見つけてもらうのがいいのか。ただ、私はその死を無駄にしないために、後者を選びました」