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司法の使命を放棄 沖縄集団自決訴訟判決

2008.3.28 11:56
このニュースのトピックス沖縄集団自決

 沖縄戦集団自決をめぐる訴訟で大阪地裁は、旧日本軍が自決に深くかかわったと認定し、大江健三郎氏が隊長命令説を信じた「根拠」として名誉棄損の成立を認めなかった。軍の関与や責任論に議論をすり替えた大江氏らの政治的主張を採用した形で、疑問符がつく判決だ。公正な目で真実を見極めるべき司法の使命を放棄したに等しい。

 訴訟の最大の争点は、元隊長2人が住民に集団自決を命じた事実があったのか否か−に尽きた。大江氏は自ら現地調査をせず、研究者の戦史を引用する形で自著『沖縄ノート』に命令説を記述した。

 訴訟で命令の意味を問われると、軍は当時、島民に「軍官民共生共死」の方針を徹底した▽軍−沖縄守備軍−2つの島の守備隊のタテの構造で自決を押しつけた▽装置された時限爆弾としての命令だった−などと独自の解釈を披露した。

 この論法は命令の有無について正面から答えず、軍の関与など次元の異なる評価の問題に歪曲したものだ。しかも著書のどこを読んでもそんな解釈は記されていない。厳密にいえば隊長命令説はすでに崩れているのだ。

 判決は著書に記されたような命令は「真実と断定できない」と中途半端に原告への“配慮”を示した。高齢の元隊長らに残された時間は長くはない。司法は、国民の権利擁護を担う「最後の砦(とりで)」として、汚名を着せられ続けた被害者を救済すべきだ。上級審の判断に期待したい。

(牧野克也)

(牧野克也)

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