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【法廷から】悩んだ末に強盗を決行した“真面目”な被告 (2/2ページ)
幾度の不幸があっても、地道に働いて乗り越えてきた被告だったが、うなぎ屋を解雇されてから3年後に移り住んだアパートで、大家とトラブルになる。
弁護人「派遣で稼いでいる金から言うと、家賃は支払えたわけだよね。なぜ2カ月分の家賃を支払わなかった?」
被告「大家がいじめや嫌がらせをした」
弁護人「荷物がいっぱいあってトラブルになった。大家は『床が壊れる』と言った?」
被告「はい」
昨年11月30日、大家から部屋の荷物を全て庭に出されて、被告はアパートを追い出された。仕事に必要な作業着や道具も、すべて捨てられていた。
弁護人「その後はずっと野宿していた?」
被告「たまにカプセルホテルに泊まった」
弁護人「昨年の大晦日は何をして過ごした?」
被告「マクドナルドでコーヒーを飲んで過ごした」
弁護人「働いてお金を確保しようと思わなかった?」
被告「思ったが、頭が回ってなかった」
被告は1カ月の間、強盗をするかどうか悩んだ。その末に彼が行き着いた結論は、「決行」だった。
検察側の冒頭陳述によると、被告は包丁をタオルで巻いて店員に突きつけたが、逆に揉み合う際に被告自身が右親指の付け根にケガをしてしまった。
検察官「場合によっては相手にケガをさせていたよね?」
被告「ケガをさせない自信があった」
検察官「事情が変わっていれば相手がケガをしていたと思わない?」
被告「最初に抵抗されて、あきらめた」
悩んだ末に一線を越えてしまった被告は、逮捕された。明らかに、誤った決断だった。
弁護人「(東京拘置所に)ずっといたいですか?」
被告「いいえ。外の方が自由だから」
検察側は「防犯カメラの位置を変えるなど犯行は計画的だ」として、懲役5年を求刑。被告の犯した罪は重いが、傍聴席にも被告の実直さは伝わってきた。きっと更生できると信じたい。
判決は4月24日に言い渡される。
(末崎光喜)