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孤立する「老老介護」浮き彫り 認知症妻殺人判決 (1/2ページ)

2008.3.12 12:40
このニュースのトピックス刑事裁判

 「被害者の冥福(めいふく)を祈り、正しく生き続けてください」。裁判長の言葉に年老いた被告は何度もうなずいた。認知症となった80歳の妻を、献身的に介護し続けた85歳の夫が殺害した事件の判決。公判の中では、行政に頼れず、周囲から孤立していく「老老介護」の厳しい現状が浮かび上がった。

 判決などによると、橋本幸夫被告と房恵さんは昭和26年に結婚し、2年後に長男が誕生。しかし長男は小学2年生のときに交通事故に遭い、亡くなった。房恵さんは、そのショックから立ち直れず、平成13年ごろから認知症の症状が出始めた。

 医師の診察を拒み、食事や着替えなど身の回りの世話は橋本被告がこなした。だが、症状は進み、房恵さんは夫のことも分からなくなった。「はよ子供のとこにいきたい」。失った息子を思いだしては泣いた。

 橋本被告は献身的に介護を続けたものの、昨年11月、医師から大腸がんの疑いを指摘される。「妻の面倒を誰がみるのか」。介護の大変さを知っているからこそ親類に助けを求めず、介護保険で申請できたヘルパーを行政に依頼することもしなかった。

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