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住基ネット「合憲」 費用対効果はあるか

2008.3.6 23:50
このニュースのトピックス民事訴訟

 住民基本台帳ネットワーク(住基ネット)は6日の最高裁判決で、「国民のプライバシー権を侵害しない」との“お墨付き”を得た。所管官庁の総務省は「行政側の主張が全面的に認められた」と喜ぶが、国民にとっては利便性を感じる機会がほとんどなく、住基カードの普及も進まない。判決が出た後も「費用対効果が合わない」との原告住民の主張の説得力は失われていない。

 住基ネットは平成14年に稼働開始、15年に本格稼働が始まった。総務省によると、導入コストが約390億円、年間のランニングコストが約140〜190億円かかっている。

 これに対し、国民が得られる利益としては、住んでいる区市町村以外でも住民票が取れること(広域交付)や、パスポート申請の際に住民票の写しが不要になったことなどが挙げられている。

 しかし、広域交付の必要が生じることがそれほど頻繁にあるのかは疑問。住基ネットに反対する河村たかし衆院議員(民主)は「そんなこと一生のうちに何度あるのか」といぶかしがる。

 住民側の弁護団によると、人口約15万人の大阪府守口市で15〜18年度、広域交付で発行された住民票はわずか253枚しかなかった。

 パスポートにしても、有効期限は最長で10年あるので、住基ネットの恩恵にあずかれるのは10年に1度に過ぎない。

 住基ネットを利用するのに必要な住基カードの発行枚数は、総務省は15年度だけで300万枚を見込んでいたが、昨年末までで約187万枚。普及率はわずか1・5%と低調を極めている。

 住基ネット導入の利点として国が強調する「行政の効率化」にしても、弁護団は「導入によって職員が削減できた自治体はない。効率化にはなっていない」と説明する。

 総務省は「一連の訴訟は普及のブレーキになった」とこぼすが、合憲判断を得た今後も、普及が進むかは未知数だ。

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