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【法廷から】なぜ人を殺してはいけないのか (2/2ページ)
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一方、もう1人の証人の鈴木被告の妹は、被害者の人となりについて異なる証言をした。
弁護人「亜利沙さんはどんな印象でしたか?」
妹「初めはかわいらしい子と思ったけど、『機嫌が悪いと凶暴になる』と兄から聞いた」
弁護人「あなたも同じ印象ですか?」
妹「『私は暴力では負けない』とアピールしたり、外食をしているとき、外が寒いからといって自分で取りに行けばいいのに子供に上着を取りに行かせたり、子供が部屋を汚すと必要以上にしかっていた」
弁護人「(子供たちは)ホントになついていた?」
妹「上の子は亜利沙さんを怒らせないように気をつかっているように見えた」
被告はお盆や休みの日に母親を旅行に連れて行ってあげたり、足の不自由な祖母をおんぶするなど、家族思いな一面があったという。
弁護人「お父さんを亡くされているが、何歳の時ですか?」
妹「私が小学校4年、兄が15歳のときです」
弁護人「お兄さんはどんな存在でしたか?」
妹「お父さん的存在でした」
最後に弁護人から被告への思いを問われると、妹は涙ながらに次のように話した。「お母さんと子供のことは私たち夫婦が支えるので、一日も早く戻ってこられるように、体に気をつけてがんばってほしい」
なぜ人を殺してはいけないのか。約10年前、あるテレビ討論番組で若者が発したこの問いをめぐって、メディアが騒然としたことがあった。しかし、被害者遺族と加害者の家族とで異なる立場からの証言を聞いていると、周囲の人間を不幸のどん底に陥れる殺人という行為に、そうした問いは必要ないと感じた。何より被害者は2度と戻っては来ないのだ。
次回公判は3月7日に開かれ、論告求刑が行われる。(末崎光喜)