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【法廷から】298円分の盗みで実刑 ホームレスに厳罰で更生できる? (3/3ページ)
このニュースのトピックス:法廷から
弁護人によると、元被告の男性(42)は平成19年10月1日早朝、静岡県富士市の民家の玄関脇にある郵便受けと牛乳箱から、新聞1部と牛乳2本(計298円相当)を盗んだとして、窃盗罪で起訴された。
弁護人はこの裁判の控訴審を担当した。謝罪と弁償の趣旨で、元被告には黙って被害者に1000円を送った。その被害者からは、意外な返信がきた。次のような内容だ。
「警察官に伴われて私のところに謝罪に来た犯人の姿を見て、空腹に耐えかねての行為であろうとふびんに思いました。犯人にお金を与えることはいかがなものかと思いましたが、1000円を託しました」
だが、警察官から「渡せない決まりになっている」と言われ、元被告には渡せなかったという。
この元被告には、20年2月12日の東京高裁での判決公判で、控訴棄却の判決が言い渡され、懲役1年2月の実刑判決が確定した。
たった298円の盗みで、懲役1年2カ月の実刑。弁護人は「40年近く法律家をやっているが、こんな判決は初めて。被害者からも哀れみを受けているのに過酷に過ぎる」と憤りをあらわにした。
国民の規範意識に照らして合理的な判決だったのか、疑問が残る。ホームレス犯罪には、厳罰よりも自立するための施策をきっちり受けさせることが求められているのではなかろうか。
(末崎光喜)