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【法廷から】性同一性障害の被告、働き口も見つからず… (2/2ページ)
このニュースのトピックス:法廷から
被告は頸椎を痛め、サッカーを続けられなくなったという。
被告「サッカーの時は髪を短くしてもズボンをはいても周囲が不審に思わなかった。仕事を転々として、偏見があったりもして、現実から逃げなきゃいけなかった」
被告の今後について、証人は支援することを約束した。
弁護人「いずれ被告は社会に出る機会があるが、協力しますか?」
証人「(かつて住んでいた)部屋はそのままにしてある。ハンディがあるから仕事は難しい。できれば、うちの会社の試験を受けてほしい」
続いて弁護人は被告に問うた。
弁護人「横で聞いていてどう思った?」
被告「正直、すべてを知った上でそれでもまだ自分を見捨てないで、手を差し伸べてくれる人がいることをありがたく思いました」
涙声だった。
弁護人「最初の接見で『死にたい』『どうでもいい』と言っていたね。すべてを知った上で見捨てない人がいる。本当にこういうことをしてはダメだと思った?」
被告「はい」
性同一性障害による差別。両親との確執。ケガで絶たれたサッカーの夢。そんないくつかの不幸が重なって、被告は困難な人生を送らざるを得なくなった。不幸が犯罪を正当化するわけではない。だが、社会の側が性同一性障害の現実をもう少し知らなければならないのではなかろうか。
最後に被告は言った。
「性同一性障害をかかえて生きていくには、まだまだ一杯つらいことがあるが、生きていきたい」
検察側は懲役2年を求刑。判決は29日に言い渡される。
(末崎光喜)