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【検察論告の要旨(8)】「子供を狙った犯行計画。その延長が豪憲君事件だ」 (1/3ページ)
■第1 事実関係
2 豪憲君殺害事件
(3)犯行は計画性がある
被告人は、彩香ちゃんの友達の女児に「彩香の遺品をあげる」と言って、誰にも言わないよう口止めをした上で、被告人を訪ねてくるよう誘いかけた。さらに、自動車で一人歩きをしている子供を捜すという行動に出ている。
その理由について、被告人は「子供を誘拐する事件を起こせばよく、殺害までは考えていなかった」などと供述したが、誘拐相手に顔を見られることを考慮すれば、殺害までは考えていなかったとする供述には疑問の余地がある。被告人は子供を殺害することを意識していた可能性がうかがわれる。
このような状況に加え、豪憲君の殺害が、被告人が一人歩きの子供を見付けることができず、自宅に戻った直後に敢行されていることや、甘言をもって豪憲君を自宅に招き入れるや、玄関内で直ちに殺害に及んでいることも考慮すれば、豪憲君殺害の犯行は、子供を被害者とする犯行計画の延長線上で実行に移された計画性を有する犯行と認められる。
被告人が、遅くとも帰宅途中の豪憲君が一人で歩いているのを認めて招き入れようとしたときまでには、豪憲君に対する殺意があったことは優に認められる。
この点に関し、被告人は捜査・公判を通じ、「豪憲君を自宅玄閧内に招き入れた時点では、彩香の遺品を贈りたいとの気持ちしかなく、その後に玄関内で豪憲君と2人きりになって初めて殺意が生じた」との弁解をしている。
しかし、直前まで彩香ちゃんの遺品を贈ろうとの好意を向けていた相手に対し、屋内に招き入れた途端に突発的に殺意が生じたとする弁解それ自体が極めて不自然なものである上、被告人は逮捕の4日後に豪憲君の殺害を認めた当初から、その計画性については何としても否定したいとの思いから、犯行場所が玄関内であることを隠し、「犯行場所は彩香の部屋の前で、そこで凶器の腰ひもが物干し竿(ざお)に下げてあるのを見て、初めて豪憲君に対する殺意を生じた」との虚偽の供述をしている。
このように、被告人は、豪憲君殺害の犯行の計画性を否認するために周到に考えを巡らせた上、平然と虚偽の供述をし、その不合理さなどを追及されて、結局は玄関で殺害したことを認めるに至った。このような供述態度からも、「豪憲君を自宅に招き入れた後に殺意が生まれた」との偶発的な犯行であるかのような被告人の弁解はおよそ信用できず、本件犯行には計画性が認められ、被告人の責任能力に疑間の余地はない。
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