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製薬会社の責任は手付かず、医療現場の責任は 薬害肝炎訴訟
薬害肝炎訴訟で、国の責任を認める基本合意書に調印がされた。しかし、裁判の中で国と同じ被告の立場だった製薬会社の責任問題はまだ手つかずのままだ。
該当するのは、多くの薬害被害者の感染原因となった製剤「フィブリノゲン」を扱った田辺三菱製薬(旧ミドリ十字)と、他の製剤を扱った日本製薬とベネシスの計3社。
原告らは、謝罪や再発防止に関する見解などを求め、1月末までの回答を要求。しかし、「何の動きもない」(原告弁護団)と不信感を募らせている。
田辺三菱製薬広報部では「現在、国との間で補償の配分などを協議している。1月末までに何らかの対応がとれるはず」と話す。しかし、原告らの不信感は、国と原告の協議を傍観するだけで何ら主体的に解決を目指さなかった企業姿勢にも向けられており、和解への道のりは遠い。
同社は、和解協議が始まる直前の昨年10月1日に「田辺製薬」と、旧ミドリ十字の系統を引く「三菱ウェルファーマ」が合併して誕生。「医薬品の創製を通じて、世界の人々の健康を守り、豊かな生活に貢献していきたい」と宣伝しており、新企業の第一歩は、過去の薬害に対する真摯(しんし)な反省からとなりそうだ。
「医療現場の責任」も課題として残されている。原告弁護団には、感染を疑う人たちから「医師が感染の可能性を知りながら患者に何も知らせなかった」「カルテなどの保存が杜撰(ずさん)で製剤投与の証明ができない」いった声が多く寄せられている。厚労省幹部にも「医師がきめ細かく患者のケアをしていれば、肝炎の進行を食い止められたケースもあるはず」との指摘がある。
基本合意書では今後、第三者機関で肝炎問題全体を検証することになった。企業や医療現場の責任にもどこまで踏み込むことができるのかも、再発防止のための大切なポイントとなる。