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【法廷から】黙秘を続けた被告「留置11号」 (1/2ページ)
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通常の刑事裁判は、裁判官の「名前はなんと言いますか?」という問いに、被告が答える形で始まる。ところが、18日に東京地裁で傍聴した初公判は、被告がこの問いだけでなく、ほかの質問にも黙秘するという変わった展開に。予定時間を大幅に超えて結審した(特集「事件・トラブル」)。
被告は「警視庁葛飾警察署留置11号」こと氏名不詳の男。ロボットのような名前が付けられたのは「捜査段階で全面的に黙秘した」(論告)ためで、初公判までに名前や年齢、職業など人物を特定する情報が得られなかったためだ。裁判官は冒頭、被告が別件で今年夏に東京地裁で受けた裁判でも、黙秘し続けたため身元が判明しなかったことを明らかにした。
被告は今年10月、都内のパチンコ店でスロット用のメダル1021枚(2万420円相当)を盗んだとして、窃盗罪に問われた。
「証言台の前の椅子(いす)に座ってください」。裁判官からこう命じられても、被告は刑務官がジェスチャーで促すまでは行動できなかった。被告人質問でも、質問者に何度も「もう一回」と聞き直していた。被告は外国人なのか、日本語を十分に理解できていないようだ。
パチンコ店の副店長ら被害者の供述調書によると、被告は犯行をとがめられた際、「『スイマセン』と8回くらい片言の日本語で謝った」という。
こうした被告の日本語能力への配慮からか、裁判官は審理に入る前に「普段は眼鏡をかけているんですか? 日本語は分かりますか?」と、大きくゆっくりとした口調で質問。被告は、無言で眼鏡を取るしぐさや「日本語がいい」などと簡単な日本語で供述した。