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【法廷から】法廷で饒舌に語るジャーナリスト
交際していた女性に新しい彼氏ができたことに嫉妬(しっと)し、女性の住むマンションに侵入、汚物をポストに入れて逃げる。こんな嫌がらせを繰り返して逮捕された男は、テレビでもおなじみのジャーナリストだった。
住居侵入罪に問われたフリージャーナリスト、若宮清被告(61)の初公判が11月30日、東京地裁で開かれた。
若宮被告は83年8月、フィリピン人政治家、ベニグノ・アキノ氏が亡命先の米国からフィリピンに帰国する際に暗殺事件を目撃、一躍有名になった。その後も、北朝鮮による日本人拉致事件をめぐり、日朝非公式折衝のパイプ役も務めた。ワイドショーのコメンテーターとしてもテレビ出演するなど、お茶の間にも知られる顔だ。
女性と知り合ったのは平成16年12月ごろ。その後、交際に発展したが、女性には新しい彼氏ができ、若宮被告のもとを去った。女性が新しい彼氏と同棲(どうせい)を始めたのは17年11月ごろのことだ。
「女性に対して未練が残っていた」と公判で述べた若宮被告。何としても2人の仲を引き裂こうと、18年12月ごろから女性宅のポストに汚物を入れたり、汚物入りの手紙を送ったりするなどの嫌がらせを始めた。また、女性の実家にも同様の嫌がらせや、無言電話を繰り返した。
若宮被告は起訴事実を認めた上で、当時の心境をコメンテーターらしく冗舌に語った。「嫉妬に狂って常軌を逸していた」「正常な判断がつかなくなっていた」「マンションに侵入するときは胸が張り裂けそうだった」。
また、「自分の出ていた番組でも報道されショックだった。罪を犯した汚名により故郷を失うなど、多くを失った」などと自身の現状にも言及した。
しかし、若宮被告は女性側とストーカー行為についての示談が成立したことを明らかにした上で、「多額の金を要求されて驚いた」とも述べた。最後まで、女性に対する謝罪の言葉はなかった。
女性は度重なる嫌がらせが隣人にも及んでいたことから事件後、引っ越しを余儀なくされたという。また、女性の母は心労で病院に運ばれるなど、その被害は甚大だ。
法廷で自分自身を饒舌に語りつつも、具体的謝罪のなかった若宮被告。女性はその姿を見てどう感じるのか。検察側は若宮被告に懲役1年を求刑し結審した。判決は7日に言い渡される。(大泉晋之介)