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【法廷から】「風俗嬢の自分探し」再出発うながす裁判官、検察官、弁護人 (2/2ページ)
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借金の肩代わりをしたとされる女性については、「アユ」という名前が分かっているだけ。「そういう知り合いは、信用できる人だと思いますか」。検察官がさとすように聞くと、被告は何も答えられず、タオルで何度も涙をぬぐった。
「長い間、施設で育ってきたのは気の毒とは思うけれど…」
裁判長がこう気づかったように、被告の半生は、恵まれていたとは言い難い。
被告が法廷で語ったところによると、幼いころに母親と離れ、3人の兄とともに施設で育った。母親の行方は、今もわからないままだ。
施設を出てからは、いくつか仕事に就いたものの長続きせず、その後は「風俗店を転々としながら、その場しのぎの生活をしてきた」。兄たちとは、今では全く連絡が取れないという。被告は、「社会復帰したら祖母がいる九州に帰り、働きながらお母さんを探したい」と述べた。
「あなたの生活について、もう少し弁護士さんと話し合って下さい。裁判は続行とします」
裁判長は、被告の親族や生活の見通しが明らかになるまで、結審を見合わせることを決めた。
「この法廷に来る人達の中にはね、本当に身寄りがないという人もいます。そういう人でも、頑張って再出発していくんです」
裁判長がかけた言葉はあたたかかった。被告が家族の絆(きずな)を取り戻し、人生の再出発ができるよう願うばかりだ。(菊地剛)