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【法廷から】安易に金を稼ごうとすると…
「安定した収入がほしかった」−。
売る目的でわいせつなDVDを持っていたとして、わいせつ図画販売目的所持の罪に問われた2人の男は18日、東京地裁で開かれた初公判で消え入るような声で動機を語った。
法廷に立ったのは、片桐伸一(42)と小玉信太郎(32)両被告。片桐被告は今年4月から、小玉被告は昨年12月から、池袋でわいせつDVDの販売を続け、今年8月に逮捕された。
検察側の冒頭陳述などによると、2人のDVD販売の手口はこうだ。
まず、片桐被告が店内で客にDVDのカタログを見せる。商談がまとまると、片桐被告はDVDの“倉庫”に待機している小玉被告に連絡。小玉被告が店の近くの建物の階段にDVDの入った紙袋を置いて立ち去り、客がその紙袋を拾っていく−。実に複雑な販売方法だ。
この販売方法は、両被告が考え出したものではない。両被告とも「中山」と名乗る男に、この仕事を紹介された。片桐被告は中山との関係を「飲み屋で知り合った」。小玉被告は「友人の紹介」と供述。よく知らない男だったことを強調した。
DVDの売り上げは月に約150万円にものぼった。片桐被告はこの中から、中山に月50万円を、小玉被告に1日当たり1万円を支払い、残りを稼ぎにしていたという。
両被告に共通していたのは、金に困っていたこと。片桐被告は日雇いで建築現場で働いており、小玉被告には消費者金融に80万円の借金があった。
片桐被告は被告人質問で「日雇いでは、仕事が毎日あるわけではなく、少しでも安定した収入がほしかった」と供述。小玉被告は「この程度なら警察に捕まらないだろうと思っていた」と述べた。
金のために、かなり安易な気持ちで犯罪に手を染めていた両被告。「拘置所に入ってつらい目にあった。もう二度と入りたくない」と反省の言葉を口にした。
その一方、販売していたDVDの入手ルートについては、あいまいな供述を繰り返し、本当に反省しているのか疑問が残った。なにより、公判を通じて「中山」が何者なのかさっぱり分からなかった。
検察側は「健全な性風俗に与えた影響は大きい」として、片山被告に懲役2年、小玉被告に懲役1年6月を求刑した。判決は両被告を十分に反省させるものになるのだろうか。(菊地剛)