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真の「正義」はどこに 「伝説の鬼検事」田中森一氏インタビュー (4/5ページ)

2007.9.24 22:06
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 でも、刑事事件では普通の弁護士よりヤメ検の方が、被疑者のためにはなるわな。相対するのは、かつての同僚や部下、上司であるわけだから、プロパーの弁護士よりも簡単にコミュニケーションが取れるやろ。

 何より、事件のツボを知っている。それで(立件前に)つぶした事件、ワシでも結構あるよ。

 例えば、仕手筋の小谷光浩(光進元代表)=蛇の目ミシン工業恐喝事件などで有罪確定=が東証一部上場の「国際航業」を乗っ取った後、会社から彼に多額の金が流れた。融資の形を取っていたけど明らかな担保不足で、東京地検特捜部が背任容疑などで狙っていた。

 顧問だったワシは彼に追加担保を差し出すようアドバイスし、もくろみ通り、そのときは立件されなかった。犯罪は成立しているけど、捜査価値をなくしてしまう方法やな。

 逮捕や起訴前に事件をつぶすということは、証拠隠滅と紙一重。だからヤメ検が悪くいわれるんだけど、本当に弁護士として力を出せるのは逮捕前なんだ。逮捕されてからは、実は誰がやっても大差ないんだよ。

 いずれにしろ、検事も弁護士もやることは一緒なの。まずは事実、真実というのがあるわけや。これを富士山の頂上ということにしよう。この頂上に、被疑者の悪口ばっかり言いながら登るのが検事なのね、表側から。それで、裏側から被疑者をかばいながら登っていくのが弁護士だわね。

 裁判所にとっては、検事が出す表側の姿だけじゃだめで、裏側の姿もないと本当の判断はできない。ワシは両方をやってきたけど、全く矛盾は感じないよ。どっちも一生懸命になれるしな。

 ただ、ワシ自身はやっぱり検事の方が向いてるやろな。いまでも検事が天職だと思う。仮に「特捜部長のイスを上げる」といわれたらすぐにいくわ(笑)。誰だって電話一本かけりゃ飛び上がってやって来るんだから、そんな面白いところある?

■  ■

 出版した「反転」については、そもそも売ろうと思って書いたわけじゃない。ワシの罪名は詐欺で、その金額が200億円近く。世間の見方は知っていたけど、事件について語れば弁解になり言い訳になり、男としてみっともないから当初は放っておいたんや。

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