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真の「正義」はどこに 「伝説の鬼検事」田中森一氏インタビュー (2/5ページ)

2007.9.24 22:06
このニュースのトピックス自殺

 もっといえば、ほとんどの被疑者が調べ官を恨んでる。「何が特捜部検事や」と。経験者としてワシは寂しいよ。

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 なぜそうなってしまったのか。

 特捜部が手掛ける大きな事件では、周りで聞いたことに基づいて事件の筋道を自分たちでつくっていく。それで、例えば政治家に狙いを定めると、いきなり逮捕しちゃうじゃない。

 事前に聴取すれば証拠隠滅や逃亡、自殺の恐れがあるし、事件にしなかったときに社会的影響が大きすぎるから、そのやり方に一長一短はある。だけど、逮捕まで本人の言い分は一切聞かないわけだから、どうしても歪(ゆが)みが出てくるわな。

 いまの検察はメンツばかり重んじて組織の正義を貫こうとするから、途中で見通しが違っていることが分かっても、「ごめんなさい」と謝ることができないんだ。妙なプライドやうぬぼれがあるんだろう。

 まあ、検事だって良心はあるし、みんな忸怩(じくじ)たる思いでやっている。ところが、特捜部では在籍中に仕事ができたかどうかが最重要で、2年か3年すれば栄転しちゃうわけ。その間、「検察の正義」にじっと耐え、都合の悪いことは酒を飲んで忘れるんやな。

 検事の資質の問題も無視できん。被疑者だってね、全くシロじゃないと思うのよ。逮捕されて反省するところがあるはずなの。でも、いまの検事は、それを認めるよう説得するだけの能力がなくなってきちゃった。

 そもそも、人間の最も汚い食いカスが残っているところを掃除していくのが司法なんや。司法のお世話になるのは、ある意味、一番ドロドロとしたところで生きてきた人間。それを調べる検事が、世間知らず過ぎるのかもしれんな。

 特捜部の検事で、まともに一般人や記者と付き合う人すらいなくなった。そんなことで、どうやって人間形成していくの。どうやって世間の機微を知っていくの。

 捜査対象になるような人たちも変質してきたね。昔のバブルの紳士たちは、やっぱり情があった。自分が儲(もう)けたら周りにも儲けさせていた。

 ところが、いまはどうよ。ホリエモンでも村上世彰被告でも、ワシから見たら(追求したのは)経済的な合理性だけ。情がないから周囲は潤わないんや。

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