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「子供たちに災害の怖さ伝えたい」神戸の山口さん、春から消防士に
阪神大震災を受けて、防災教育を推進する全国初の学科として平成14年、県立舞子高校(神戸市垂水区)に誕生した環境防災科。その1期生、山口貴之さん(21)=大阪国際大学4年、神戸市東灘区=が、高校時代からの夢だった消防士試験に合格した。「子供たちに災害の怖さを伝えたい」。今春から兵庫県宝塚市消防本部の一員となる。
環境防災科では、阪神大震災を検証する「災害と人間」、耐震やボランティアなどから防災を考える「社会環境と防災」など、防災関連の必修科目を週6〜11時間設定。1学年40人の1クラスで、これまでに約160人の卒業生を送り出した。
山口さんは14年4月、できたばかりの同科に入学。中学3年のとき、救急車で運ばれた重体の母の命を救ってくれた救急救命士にあこがれていた。
同科は消防士や団体職員、ボランティアなど外部から講師を招いての授業が多い。1年生の時、神戸市消防局の消防士に震災体験を聞き、「自分たちが動かなければ誰も助からない状況だった」という言葉に武者震いした。この時から、災害時に第一線で働く消防士が新しい夢になった。
自身も小学2年のとき、神戸市東灘区の自宅で被災。家と家族は無事だったが家中が割れた食器などでめちゃくちゃに。ライフラインも止まって生活ができなくなり、鹿児島市の父親の実家に疎開した経験がある。「災害の怖さを子供たちに伝えたい」。そう考えるようになった。
高校を卒業して消防士になる道も考えたが、大学へ進学。災害で精神的に大きなダメージを受ける子供たちの心に近づきたくて、災害時の子供の心理や心的外傷後ストレス障害(PTSD)などについて学んだ。
一昨年春から猛勉強し、昨年11月、宝塚市の消防士試験に合格。7年越しの夢をかなえた。
「環境防災科の教師や講師たちには、『なんとしてでも自分の経験を伝えたい』というオーラがあった」と山口さん。「自分も子供たちの心に残る話をして、災害の怖さや防災の必要性を伝えていきたいです」。

