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「8日もたって…」家族、漁師仲間ら憤る
「艦長の口から真相究明を」「8日もたって謝りに来るなんて」−。海上自衛隊イージス艦「あたご」の衝突事故で、舩渡健艦長(52)らが27日、行方不明の吉清治夫さん(58)、哲大さん(23)親子の千葉県勝浦市の自宅と清徳丸が所属する新勝浦市漁協川津支所を訪れ、家族らに直接謝罪した。事実発表をめぐり二転三転する防衛省の情報に翻弄(ほんろう)される家族や漁師仲間は、艦長らに真相の徹底究明を繰り返し訴えた。
舩渡艦長はこの日午後2時ごろ、吉清さん親子の自宅を訪問。帽子を取って玄関前で一礼し、硬い表情のまま室内に入った。家族は引き続き真相究明への努力を要請。一家の大黒柱の親子が安否不明という悲痛な心境を聞かされた舩渡艦長は涙を流して謝罪したという。
治夫さんのいとこ、中ノ谷義敬さん(62)は「一番辛いのは艦長かもしれない。男が泣くとはそういうときだ」。艦長の心情を推し量りながらも、不明の2人を思い無念さを押し殺した。治夫さんの叔母、板橋よし子さん(76)は「事故のとき仮眠していたと聞いたが、艦長としてそれはないだろう」と突然の訪問に険しい表情を崩さない。漁師仲間で唐木丸の唐木功さん(69)は「こんな日にちがたってから謝りにくるなんて…。民間の人ならもっと早いのが常識だ」と憤った。
舩渡艦長はこの後、新勝浦市漁協川津支所で、漁協幹部らに「このたびは大変申し訳ありません」と述べ、目を赤くして頭を下げた。応対した外記栄太郎組合長(79)は「(治夫さんは)立派な船頭だった。息子は心優しく、非常に少ない後継者の中で将来の組合を担い得る人材だった」と答えると、こみ上げる涙をハンカチで何度もぬぐった。
謝罪後の会見で、舩渡艦長は事故の責任を全面的に認める一方、指示や連絡ミスなどについては「海上保安庁が捜査中」として明言を避けた。同漁協川津支所の荘司好延・船団長(74)は「真実を言ってくれないと2人も悔しいだろう。はっきりとした説明がほしい」と厳しい表情で語った。