ニュース: 事件 RSS feed
「大臣さん、2人帰して」おばが声絞り出し涙の訴え
このニュースのトピックス:イージス艦衝突事故
「せがれと孫を帰して」。イージス艦衝突事故で行方不明となっている漁船「清徳丸」の吉清治夫さん(58)と長男、哲大さん(23)が所属する千葉県の新勝浦市漁業協同組合川津支所。治夫さんのおば、板橋よし子さんは21日、謝罪に訪れた石破茂防衛相に涙声で訴えた。
石破防衛相が次の訪問先に向かうため、公用車に乗り込もうとしたときだった。100人以上の報道陣が車を取り囲む中、板橋さんは車の反対側から防衛相に声を絞り出した。
「せがれと孫を生きて帰してくださいよ」。一瞬、顔を硬直させる防衛相。「せがれ」「孫」と普段から呼んでいた板橋さん。「『(父子が)寒いよ、寒いよ』って言っている(ようなひどい)目に遭わせるくらいなんだから。大臣さん、帰してください」
板橋さんの目は潤んでいる。「(自衛隊は)正直に言ってくれ」とも。防衛相の顔は見る見る紅潮し、口はしばらく真一文字。公用車に乗り込み、後部座席の窓を開け、最後に「分かりました」と言うのがやっとだった。
防衛相は同日午後、防衛省幹部らと漁協に到着。吉清さんの家族や漁協関係者らに「本当に申し訳なかったと思います」などと謝罪、約40分の話し合いを持った。
漁協側は防衛省側が吉清さんらの着衣などを回収しながら公表していないのではとの不信感があるといい、外記栄太郎組合長は「どういうものを(海上で)拾い上げたとか、情報がほしい」と訴えた。
さらに「(証拠品を)返して、見せてということではない。2人が身に着けていた物の名前だけでも教えていただけないか」と切々と訴えると、防衛相は「どんな要望でもおっしゃってください」と応じたという。