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船と仕事と家族を愛し 名人の父、まじめな息子 (1/2ページ)
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「家はいらない。船がほしい」
吉清さんの親族らによると、治夫さん一家は代々漁師の家系で、治夫さんも地元の小中学校を卒業後、漁師になった。若くして父親を亡くしたため、親類や知人の漁船に乗せてもらう日々。「家より船」が口癖だった。
昭和50年代、念願の船を手に入れた。清徳丸の「清徳」は父親の名前と、世話になった漁師の船の名前から一字ずつとった。
治夫さんは妻と哲大さんの3人暮らし。約15年前に脳梗塞(こうそく)で倒れ、体が不自由になったが、「家族のため」と船に乗り続けた。
新勝浦市漁協の男性職員(39)は「治夫さんは一見こわもてだが、いつもニコニコしていた」。仕事の腕は抜群でアワビ採りの名人でもあった。親族の板橋よし子さん(76)は「1人で漁師3人と同じくらいの魚を捕っていた」と涙をこぼしながら話した。
そんな治夫さんの背中を見て育った哲大さんは高校在学中に小型船舶免許を取り、高校2年で中退、父を手伝うようになった。「おやじはかっこいい。跡を継ぎたい」。物心ついたころから、こう夢を語っていた。治夫さんは息子が漁師になったことをこの上なく喜んでいたという。
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