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復興住宅での「孤独死」防げ 「見守り推進員」同行ルポ

2008.1.15 05:04
このニュースのトピックス自然災害
災害復興住宅で1人暮らしの志水政江さんのもとを訪れる「見守り推進員」の日下部由美さん(右)=神戸市中央区災害復興住宅で1人暮らしの志水政江さんのもとを訪れる「見守り推進員」の日下部由美さん(右)=神戸市中央区

 神戸市など阪神大震災被災地の自治体は、社会福祉士や介護福祉士の有資格者を「見守り推進員」として派遣している。長年住み慣れた場所から復興住宅に移り住んだ1人暮らしのお年寄りの暮らしぶりを把握するためだ。HAT神戸(神戸市中央区)の災害復興住宅で見守り推進員を務める日下部由美さん(37)に同行した。(渡守麻衣)

 「何を編んでるんですか」。高層マンションの災害復興住宅の1室。日下部さんは、編みかけの編み物を見つけてそう尋ねた。

 「セーターよ。どうせ自分で着るんだけどね」と答えた志水政江さん(86)に、「手先を動かすのは脳にもいいんですよ」とほほえみかけた。

 志水さんは震災の1年前に夫が死亡。同市灘区のマンションで被災し、この災害復興住宅には、完成直後から入居し、一人で暮らしている。「もう10年になるけど、どうも近所付き合いは慣れなくて」と志水さん。一番の話し相手は、孫くらい年齢の離れた日下部さんだという。「こうして来てくれるだけで励みになる。しゃべらないとぼけちゃうから」

 しかし、日下部さんら推進員の訪問は月に1〜2回程度。約150人の推進員で約2000世帯を受け持ち、頻繁に訪ねることはできない。

 持病もなく健康な志水さんだが、不安もある。「『1人で亡くなった』というニュースを見ると、もし自分がそうなったらどうしようか、と心配になる。なるべく外に出たり、知り合いに連絡を取るように心がけているんだけど」

 神戸市内の災害復興住宅の高齢化率(65歳以上の割合)は市営住宅で約49%、県営住宅で約52%。全国の高齢化率(20・8%、19年度版高齢社会白書)の倍以上だ。

 「老人会など高齢者間のコミュニティーはできていても、それを維持することが難しい。災害復興住宅では高齢者が高齢者を支援しているのが現状。もっと若い人、コミュニティーをつなぐ人が必要なのです」

 日下部さんはそう指摘する。

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災害復興住宅で1人暮らしの志水政江さんのもとを訪れる「見守り推進員」の日下部由美さん(右)=神戸市中央区

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