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【主張】大阪直下地震 住宅の耐震補強で減災を
大変な規模の被害想定が公表された。
近畿と中部地方で活断層による内陸の直下地震が起きた場合に予測される死者数と全壊する建物の数である。
国の中央防災会議に置かれた専門調査会の分析によると、大阪府を中心に4万2000人もの死者と、約97万棟にのぼる建物の全壊が予測されるという。この死者数は、阪神大震災の6・5倍に達する多さである。
首都直下地震による被害想定でも、死者数は1万2000人なので、その突出ぶりが衝撃的だ。
大阪府は、上町(うえまち)断層帯という活断層によって南北に貫かれている。この断層が動くと、マグニチュード(M)7・6の大地震が直下で発生し、大阪市や堺市などは震度7の激しい揺れに襲われる。
大阪平野には干拓や埋め立てによる軟弱地盤が広がり、大阪市内には昭和55年以前に建てられた古い耐震基準による木造住宅が多い。
このため、死者全体の80%が建物の下敷き、残り20%が火災などによって命を落とすと分析されている。首都圏に比べて圧死者の比率が高いのは「建物が燃えるより先につぶれてしまうから」であるという。
現在、近畿と中部の内陸直下地震が注目されているのには理由がある。太平洋側の海溝沿いに100年から150年の周期で繰り返す南海地震や東南海地震の前には、西日本の内陸部で地震活動が活発化し、活断層によるM7級の大地震が数回発生することが知られているからだ。
近畿・中部圏では、こうした規模の地震を起こす可能性のある活断層が13本、検討対象になっている。京都府や愛知県などでも、死者が1万人を超える直下地震が起こり得るので、その対策が必要だ。
一番の決め手は、住宅の耐震補強だが、改修工事には自治体による助成があるにしても100万円程度の自己資金が必要だろう。危ないのはわかっていても、工事にはなかなか踏み切れないのが現実だ。だが、考え直してほしい。これからの地震活動は、これまでのそれを上回る。
活断層による地震への対策が重要なのは、全国共通の課題である。木造住宅の耐震補強を急ぎたい。