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【産経抄】10月1日

2007.10.1 05:09
このニュースのトピックスミャンマー情勢

 地震が地下深くにある岩盤の破壊現象であることは、誰でも知っている。きょう1日からシステムが稼働する「緊急地震速報」は、破壊に伴って発生する地震波をとらえることで、大きな揺れが地表に到達する前に、人々に知らせる仕組みだ。

 ▼そんな理屈とは無縁だった江戸時代には、地震は地下に棲(す)むなまずが起こすと、考えられていた。茨城県の鹿島神宮境内にある、要石(かなめいし)と呼ばれる岩が、大なまずを押さえ込んでいるはずだったが、願いはむなしかった。

 ▼安政2(1855)年旧暦10月2日に起きた安政の大地震の死者は1万人を超えたという。地震直後から、飛ぶように売れたのが、なまず絵と呼ばれる、なまずと地震をからめた錦絵だ。民俗学者の小松和彦さんによると、400種類近くあるなまず絵は、およそ4つのパターンに分けられる。

 ▼第1に描かれているのが地震の惨状、第2は鹿島大明神や民衆によるなまず退治、第3は、地震のために肉親を失った人の悲しみ、あるいは逆に復興景気に沸く職人の姿などの世相だ。第4になると、金持ちを懲らしめるなまずの絵柄が出てくる。まるで地震を「世直しの予兆」とみているかのようだ。

 ▼江戸庶民の迷信と笑うなかれ。外国船の到来など、幕藩体制のゆらぎのなかで、近い将来の大変革を予感していたとも読み取れる。社会が激しく揺れ動いているのは、今も同じ。その要因のひとつがインターネットだ。ミャンマーの実情を世界に発信することで、軍事政権を追いつめる、そのパワーは計り知れない。

 ▼「MSN産経ニュース」もまた、きょうからスタートする。人々の喜怒哀楽や未来を見通す英知がネット上を飛び交う、現代のなまず絵になったら、おもしろい。

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