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【揺れる会計検査院】(上)官庁の圧力 「生殺与奪は握っている」 (1/2ページ)
「経済産業省としては今後、会計検査院の調査には協力できない。情報を漏らした職員は国家公務員法違反罪だ」−。
怒気を含む電話が会計検査院の第5局長、真島審一(58)にかかってきた。相手は経産省通商政策局長の岡田秀一(ひでいち)(58)。電話の数時間前、テレビ局が特ダネを報じていた。
経産省所管の財団法人「日本貿易振興機構」(JETRO)が100億円を超える預託金を民間業者に預け、国債などを購入させたうえで、その運用益で業者に支払うべき家賃を賄っており、検査院が不適切として、経産省に改善を求める方針というニュースだった。
検査院の複数の関係者は「情報を漏らした人間を特定するよう経産省が求めている。東京地検に刑事告発すると言ってきていると現場には伝わった」と証言する。「真島局長も経済産業検査1課長も相当参っていた。経済産業局の不正経理の調査が進行中で、それを報じられないための布石なのでは…。まさに圧力だ」と憤る職員もいる。実際、関東経済産業局の不正経理はマスコミに報じられることはなかった。
電話では何が話されたのか。真島は「(岡田局長は)高校の同級生で昔からの知り合い。旧友からの助言だった」と言う。
一方、岡田は取材に「検査院の取材対応について質問し、情報の取り扱いについて、きちんとするよう申し入れただけ」と言い、「関係者の処罰も求めていないし、東京地検に告発すると言ったこともない」と文書で回答した。
検査院は毎年11月上旬、調査結果を検査報告書にまとめ、首相に提出する。今年、検査院は経産省の出先機関の関東経済産業局が実際とは別のものを購入し、公金を業者に預ける「預け」など約2千万円の不正経理があることを突き止めた。資源エネルギー庁でも同様の不正経理が見つかった。
「経産省でこうした不正が見つかったことは一度もない。プライドが高く、検査が難しい官庁として知られていたから、今年の調査には危機感を持ったのだろう」。検査院の職員は解説する。

