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情報流出、産業スパイ対策は先行 三菱UFJ事件
個人情報に比べ、企業が保有する高度な機密情報などを盗み出す「産業スパイ」をめぐる法整備は先行している。産業スパイの厳罰化を柱とした改正不正競争防止法が今年4月に成立しており、来年夏ごろ施行される見通しだ。
改正のきっかけは、平成19年に発覚した自動車部品大手「デンソー」の中国人技術者による製品データ流出事件だ。ライバル企業へのデータ持ち込みなど、不正競争目的で持ち出すことが刑事罰の構成要件だったため、愛知県警は同法の適用を断念。約13万件にのぼる設計図情報などをパソコンに記録して持ち出したとする横領容疑で逮捕したものの、パソコンが会社側に返却されたなどとして、起訴猶予になった。
この事件を契機に産業界からの厳罰化の要請を受けた経済産業省は、企業の機密情報の保護強化に向けた改正に踏み切った。改正法では、不正に利益を得たり、保有者に損害を与える目的で持ち出すケースのほか、新たに持ち出し禁止の資料を無断で外部に持ち出す行為自体も処罰対象に加わった。
経済産業省は、三菱UFJ証券事件のような個人情報持ち出しについても「改正法を適用できる可能性がある」と主張。一方、捜査関係者は「以前よりは立件のハードルは低くなるかもしれないが、実際の事件にどこまで適用できるかは未知数」と疑問視。情報そのものを盗み出す情報窃盗罪の必要性が指摘されているのもこのためだ。(花房壮)
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