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【疑惑の濁流】インサイダー取引はなぜ見破られるのか…ベテラン審査官が明かす摘発の“極意” (1/5ページ)
このニュースのトピックス:疑惑の濁流
未公表の企業の内部情報を悪用して、株で不正な利益を上げるインサイダー取引。市場の公正さを歪める「濡れ手で粟」の犯罪に対し、近年、監視の目が一段と強まっている。証券取引等監視委員会は今年に入り、海外口座を使って巧みに隠蔽(いんぺい)されたインサイダー取引を告発するなど、課徴金制度の適用も含めすでに9件というハイペースで摘発を続ける。一方、インサイダー取引に手を染める側はさまざまな偽装工作によって摘発を逃れようとするが、なぜ当局に見破られてしまうのだろうか。監視委の“奥義”に迫った−。
1秒間に25〜50件の売買注文
ニューヨークのウォール街、ロンドンのシティと並び世界3大金融街と呼ばれる東京・兜町。その中枢に位置する東京証券取引所(東証)には、ネット網を介し、世界中の証券会社から売買注文が飛び込んでくる。
その数は1日平均約700万件。東証の現行のシステムが発注1件を処理する時間はわずか20〜40ミリ秒といい、「1秒」という瞬きをするほど間に、25件から50件という大量の売買注文が処理されていく。年間の営業日が約250日と仮定すると、年にして実に約17億5000万件もの売買注文が行われている計算になる。
「孫のために資産を残したい」「株で一山当てたい」という一般投資家から、「外国人トレーダーには負けられない」という機関投資家まで、さまざまな思惑が交錯する証券市場。こうした無数ともいえる取引の中に、悪意のある取引が混在している。
架空の売買で投資家をあおり、株価をつり上げる「相場操縦」。そして、確実にもうかるという情報をもとに、リスクを負うことなく利益を得る「インサイダー取引」だ。
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