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【衝撃事件『未解決』の核心】「DNA」追う 今市女児殺害捜査 (1/5ページ)
秋葉原事件、元厚生次官宅連続襲撃…。社会をぞっとさせる凶悪事件が相次いだ平成20年。体感治安の悪化は、不景気と社会の閉塞感が増幅させているようにも感じるが、一方で、解決しない重大事件が山積する現状も大きな影を落としている。幼児が連れ去られて無残な他殺体で見つかり、女子高生が理由もなく殺害されながらいまだに犯人が挙がらない事件の数々。長期捜査の最大の敵は「風化」だ。忘れてはいけない、許してはいけない未解決事件の現場を歩き、その無念を報告する。
地を這う「DNA捜査」
「申し訳ないんだけど、口の中の『粘膜』を取らせてもらえませんか。別に、あなたを疑っているというわけではないですからね」
11月半ば。
栃木県日光(旧今市)市立大沢小学校の校区内に住む無職の男性(68)宅を、2人組の刑事が訪れた。
刑事たちは短い棒を男性に渡した。男性は刑事に言われるまま、棒を口に含み、両頬の内側をこすって、刑事に返した。棒の先端には、刑事が求めた「粘膜」が付着している。
「正直、あまり気分がいいものではなかった」とこの男性は振り返る。「ただ、刑事さんたちは何度もうちに来て顔見知りになっていたからね。だから協力した」
平成17年12月1日。大沢小1年の吉田有希ちゃん=当時(7)=が下校途中に連れ去られ、翌2日、茨城県常陸大宮市の山林で遺体で見つかった。小さな胸は鋭利な刃物で10カ所以上も刺され、氷点下のヒノキ林に横たえられるという残酷な仕打ちだった。
有希ちゃんの遺体には、他者の慰留物が付着していた。犯人のものである可能性が高い。その慰留物のDNA型はすでに解析済みだ。刑事たちが現場周辺の住人から「口の中の粘膜」を求めるのは、粘膜からDNA型を解析し、慰留物のDNA型と照合するのが目的である。
事件から丸3年。
栃木、茨城両県警の合同捜査本部の延べ約19万6000人もの捜査員を繰り出してきた捜査は、地を這(は)うようなものになっている。
容疑者「1万人」
「時間が経つにつれ、事件のことは思いださなくなってきてしまいました。刑事さんが何度来ても、思いだせることはないので…」
有希ちゃんが連れ去られた現場の近くに住む主婦(48)は、申し訳なさそうにそう語る。
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