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【衝撃事件の核心】振り込め詐欺被害金“横取り”狙った裁判所書記官 その「ある嗜好」 (5/5ページ)
変装願望?
12月7日、京都市伏見区。埼玉県警捜査2課の捜査員は、この日逮捕した広田容疑者の自宅を捜索した。そのとき、部屋の中から奇妙な物を発見したのだ。
警察官や消防隊員の制服など数点。
「こいつ(広田容疑者)はいったい何者なんだ? 変装マニアなのか?」
裁判所書記官という堅い職業イメージの裏で、変装を“堪能”していたらしい広田容疑者の“別の顔”が浮かんだのだ。
違和感を覚えた捜査員は一応、上司にも制服の件を報告した。しかし、県警内部では「振り込め詐欺の被害金をだましとった事件の本筋とは関係ないだろう」(捜査員)という程度の認識だった。
が、それだけのことと言っていいのだろうか。
「違う自分になりすましている、という点では共通性があると言える」
捜査幹部の1人は、今回の事件の下地として、広田容疑者の“変装癖”を無視できないとの見方を示すのである。
その広田容疑者は逮捕当初は「よく覚えていない」「記憶にない」と、まるで“記憶喪失男”を装ったように否認していたが、36回目の誕生日となる12月18日になってやっと、「1人でやった」と一連の犯行を認めたという。
県警は当初、振り込め詐欺などの犯行グループが関与した可能性も視野に調べていたが、犯行発覚のリスクが高いとされるATMからの現金引き出し役も広田容疑者が認めたため、単独による犯行とほぼ断定した。
「犯罪グループと書記官の共謀という最悪のシナリオはほぼ消えたが、事件の全容解明には時間がまだかかる」(捜査幹部)
県警は戸籍や判決書の偽造、現金の詐取などを一括して詐欺容疑で再逮捕する方針だ。
余罪の疑いも濃厚だ。
調べに対し広田容疑者は、ニセの判決書を札幌、函館、東京、大阪、宇都宮地裁支部などに郵送していたことをほのめかしているのだ。捜査関係者によると、凍結口座からはすでに計約1000万円が引き出された可能性もある、という。
裁判所書記官であるからこそ可能だった広田容疑者の犯行。一方で、容疑者の個人的な“嗜好”も絡み合っているかのような感がある。犯行の全容と容疑者の心の内の解明には、まだ時間が必要だ。
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