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【衝撃事件の核心】振り込め詐欺被害金“横取り”狙った裁判所書記官 その「ある嗜好」 (4/5ページ)
違法な手続きで突如、社会に現れた「馬場」は、大阪府内の2カ所の住所地を転々とした後、8月に大阪府島本町のアパートに入居。ガスや水道、携帯電話を契約し、健康保険証も所持した。
「実際に生活しているように装ったのだろう。もちろん、開設した銀行口座のカードの受け取り場所としても活用したはずだ」(捜査幹部)
その「馬場」=広田容疑者は次に、預保のHPに目をつけるのだ。
10万件、50億円
前述の通り、振り込め詐欺の被害者に被害金返還が順調に進むよう、6月に振り込め詐欺被害者救済法が施行された。それに伴い、預保のHPには、詐欺に悪用された疑いの強い全国約10万件の凍結口座の一覧情報が随時掲載されている。
金融機関名や地域などを画面に入力すれば、該当する口座名義と残金を誰でも閲覧できるのだ。
凍結口座に残されている被害金の残高は実に約50億円。2年かけて被害者に返還するのが目標だ。
埼玉県警は広田容疑者のパソコンも押収し、その使用履歴などを解析中だ。「まだ解析途中だが、残金の多い口座を物色したのは間違いないだろう」と捜査幹部はみている。
「振り込め詐欺被害者救済法案は昨年5月ごろに骨格ができており、情報を入手していた可能性もある」とみる関係者もいる。
こうして“標的”を定め、京都地裁で「馬場」が凍結口座の名義人に対し、貸金請求訴訟で“勝訴”したとするニセの判決文を作成。差し押さえ申立書とともに、標的の銀行を所管する地域の裁判所に送りつけ、凍結口座から「馬場」が預金を引き出せるよう、口座差し押さえを命令させたのである。
京都からその銀行に「馬場」の振り込み依頼書が到着した数日後、広田容疑者に酷似した男が京都市内のATM(現金自動預払機)から数回にわたり、現金計400万円を引き出している姿を、監視カメラが記録していた。
その広田容疑者は犯行後の11月、数百万円相当の新車を購入している。
「就籍」をでっち上げ、判決文をでっち上げ、裁判所も銀行もだました広田容疑者。もちろんその動機は「カネ」なのだろうが、捜査の過程では、それだけでは割り切れない不可思議な一面も浮かんだのである。
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