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【衝撃事件の核心】振り込め詐欺被害金“横取り”狙った裁判所書記官 その「ある嗜好」 (3/5ページ)
広田容疑者の逮捕容疑は「ニセの振り込み依頼書を使った」という偽造有印私文書行使。
あくまでも犯行の“一部”しかとらえていない容疑のため、この逮捕容疑が何を意味するのかがわかりにくい。しかし、簡単に言えば、裁判所の書記官が判決文をでっち上げ、振り込め詐欺の被害者を押しのけてその被害金を横取りしたわけで、「裁判所の人間が振り込め詐欺犯と結託しているのではないか」と強い衝撃を社会に与えた。
その広田容疑者は京大卒業後、平成8年に京都家裁事務官として採用され、4年前に同家裁書記官に任官。逮捕時は家庭内の紛争を扱う家事書記官室に勤務していた。
「とにかく仕事熱心でまじめ」
職場や自宅近所の住民からは、いずれも裁判所書記官という職業にふさわしい評判ばかりだった。
しかし、警察の調べからは、広田容疑者が1年以上前から周到すぎるほど周到に犯行の準備をしていったことが浮かび上がり、再び取調官たちを驚かせるのだ。
1年以上も前に「なりすまし」
昨年9月。
広田容疑者は「就籍」の許可が出たとする京都家裁の文書を偽造し、それを役所に持参して「馬場(ばんば)」という同年齢の架空の男になりすました。
「就籍」とは、戸籍法に基づき、出生届が何らかの理由で役所に提出されなかった戸籍のない人を対象に、新たな戸籍を作成する手続きだ。家庭裁判所の審理を経て許可を受け、自治体に届け出ることで完了する。中国残留孤児などに許可された事例があり、過去には記憶喪失でも認められている。
広田容疑者は、「記憶喪失」を理由に、京都家裁で就籍の申し立てが許可された−とするニセの許可書類をでっちあげたのだ。
その本籍地は京都府南丹(なんたん)市。許可書類には実在の裁判官の名前とともに、担当書記官として広田容疑者の名前も記載していた。許可書類を南丹市に提出し、手続きは完了した。
「長年、知能犯捜査で免許証や保険証など身分証の偽造事件はいろいろやってきたが、『就籍届』の偽造なんて初めてだ」
知能犯捜査の長い捜査員ですら、こう言って舌を巻く。
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