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【衝撃事件の核心】振り込め詐欺被害金“横取り”狙った裁判所書記官 その「ある嗜好」 (2/5ページ)
問題の宮城の60代男性はこうした手続きにのって返還を求めていたが、その銀行から「口座からは既に金が引き出され、残高はない」と告げられ、その理由をこう説明されたというのだ。
「この口座の名義人に対し貸金があるという人物の訴えが裁判で認められ、口座を差し押さえてその人物に引き出させるよう判決が出た。それに基づいてさいたま地裁熊谷支部から口座の差し押さえ命令が出された。その措置に従った」
裁判所の判決文の効力は重い。犯罪絡みに使われた口座の凍結までも解除させられるのだ。
わけのわからない男性は、銀行に命令を出したさいたま地裁熊谷支部に事情を話し、「本当ですか」と確認した。命令の根拠となった判決文は京都地裁が作成したものだった。熊谷支部は、京都地裁に確認する。まもなく京都地裁から回答がきた。
「そんな判決は存在しない」
裁判所で審理される訴訟は刑事であれ民事であれ、すべてに「事件番号」が付される。その銀行口座の凍結を解き、差し押さえさせた判決文の事件番号はまったくの架空だというのである。
この時点で、何者かが判決文を偽造し、裁判所と銀行をだまし、凍結口座の金を横取りした“事件性”がはっきりした。10月9日、さいたま地裁熊谷支部は被疑者不詳のまま偽造有印公文書行使罪で埼玉県警に告発した。
現職書記官の「指紋」
捜査の結果、12月7日に逮捕されたのは、京都家裁書記官の広田容疑者だった。
偽造判決文での勝訴者は「馬場(ばんば)」なる男。その「馬場」からはこの銀行に、問題の凍結口座にあった約400万円を自身のネット口座に振り込むよう依頼する振り込み依頼書が届いていた。この際の郵便配達記録の伝票から広田容疑者の指紋が検出されたのが突破口になった。
もちろんこの段階ではその指紋が誰のものかはわからない。が、判決文が偽造されるという特殊な手口から、県警は裁判所関係者の犯行との見方を強め、捜査網を絞っていった。その結果、広田容疑者の指紋と判明した。
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