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【Re:社会部】都会なりの「名湯」を
3人が立件された東京都渋谷区の温泉施設「シエスパ」の事故を取材しながら、ふと、かつて足を運んだ、ひなびた温泉を思いだしました。
長野市にある「加賀井温泉」。支局勤務時代に、「温泉通に大人気の名湯」「武田信玄の隠し湯」とのうわさを聞きつけ、駆けつけました。
ところが、現地にあるのは、質素な小屋の中にある、カランもない風呂。勢いよくわき出す濁り湯は壮観でしたが、屋外の露天風呂には、小屋を出て、素っ裸のまま歩いていかなければなりません。
「男だから別に」とタオル1枚で歩いて行きましたが、入浴前に温泉のようすを見に来たのか、出くわした若いカップルには、なんだか申し訳ない気持ちになった記憶があります。
「名湯」を堪能できない“新参”の記者に、常連客はこういいました。
「お湯以外になにもない、それが魅力だろ?」
外見にばかり投資をし、安全面への配慮を怠ったシエスパ。ただ、ある業者はこうもいいました。「都会の温泉は、外見に魅力がないと誘客はできない。シエスパの方針は間違っていない。それだけでは駄目だということを、あの事故が気づかせてくれた」
安全管理に細心の注意を払う、都会なりの“名湯”をつくってほしいものです。(国)
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