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【日本の議論】医者はどこに消えた? 「医療崩壊」構図と解決策は (1/5ページ)
東京でさえも妊婦受け入れ拒否が起きたことに、ただならぬ「医療実態」を感じた人は少なくないだろう。加えて今年は産科や小児科病棟の閉鎖など、各地から医療混乱の報告が相次いだ。医師不足は深刻である。厚生労働省はようやく腰を上げ、医師数の増員策を考えはじめたが、直ちに状況が好転する見込みはない。なぜ、医療現場から医師の姿が消えたのか。なぜ、ここまで状況は深刻になってしまったのか。これから、どうなっていくのか。
医師は減っているのか
日本の人口1000人あたりの医師数は2・0人。これはOECD(経済協力開発機構)諸国の中では、30カ国中27位。最低レベルの数字だ。最高はギリシャの4・9人、フランス、ドイツは3・4人、アメリカは2・4人といった具合である。
先進国の中では、日本は医者が少ない部類の国に入るといえそうだ。
国内に目を転じてみよう。
診療科別にみると、とりわけ「産科」の現場で悲痛な声があがっている。厚労省の統計によると、産婦人科医の数は平成14年には全国で1万1034人だったが、18年には1万74人と、1000人近く減っている。
産科医療の脆弱(ぜいじゃく)ぶりを象徴したのが、今年秋に社会問題化した、救急現場での妊婦受け入れ拒否問題だった。
東京都内で脳内出血の妊婦が、都立墨東病院など8病院に受け入れを拒否され死亡した問題が10月に発覚。翌週にはやはり東京都内で脳内出血の妊婦が杏林大病院など、8病院に搬送拒否されていたことが分かったのだ。
都立墨東病院は東京都内に9つある「総合周産期母子医療センター」の1つ。高度な産科医療態勢が整っていて当たり前の病院のはずだった。
しかし、妊婦の搬送が打診された週末・休日には、本来2人以上の勤務体制が組まれるはずだったのに、1人しかいなかった。医師のやり繰りがつかなかったというのである。
日本の首都で活動する総合周産期母子医療センターのこの実態には、唖然とさせられてしまう。
受け入れ拒否の発覚後に、都立墨東病院を緊急調査した舛添要一厚労相からはこんな言葉が出た。
「やっぱり、問題は構造的な医師不足だ」
東京のど真ん中で発生した受け入れ拒否問題は、「医師不足といっても、地方に比べれば都会はまだいいほう」といった認識が甘いものであったことを関係者らに思い知らせた。
医師不足はなぜ起きたか
医師不足の最大の“犯人”は「国」だ。
国は昭和57年に医師数の抑制方針を閣議決定している。戦後進めてきた「1都道府県に最低1医科大学を設置」する政策が軌道に乗ったことが、閣議決定のきっかけとなった。
《医師数が増加しつづけると、将来的に国民が病院漬けとなり国家財政を破綻(はたん)させる懸念がでる》





