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【産経抄】9月4日
このニュースのトピックス:産経抄
外国出身力士の開拓者といえる高見山(東関親方)の師匠、元横綱前田山は、けいこの厳しさで有名だった。入門したての高見山は、両足を左右に開く「また割り」ができず、あまりの痛さに涙がこぼれる。「日本人はそんなことで泣かない」としかる親方に、「これは目から出た汗」と強がりを言ったエピソードは、前にも紹介した。
▼単なるしごきではない。20年にわたって現役が続けられたのも、目的のあるけいこのおかげで、けがが少なかったからだ。高見山はまた、ちゃんこが食べられるようになるまで、ハムエッグを作ってくれ、英語を話す医師を探すなど、陰で支えた親方夫人を、「ママ」と呼んで慕った。
▼元若ノ鵬が、大麻取締法違反容疑で逮捕されてわずか2週間で、同じロシア出身の幕内露鵬、十両白露山の兄弟から、大麻の陽性反応が出た。角界は大揺れに揺れている。「疑いがあるというなら、よく調べてもらえばいい」。
▼自分の弟子にかかった疑惑に対する北の湖理事長のコメントは、まるで人ごとのようだ。監督責任を問う以前に、そもそも弟子との間に、心のつながりがあったのか、疑ってしまう。
▼いまは親方となった高見山は、師匠に教えられた通りに、礼儀や相手を敬うことの大切さを、弟子に口すっぱく言って聞かせるそうだ。もっとも、部屋の収入源となる番付の高い力士の振る舞いには、見て見ぬふりをする親方もいるらしい。
▼「土俵の鬼」の異名を取った元横綱の初代若乃花、花田勝治さんが、7月3日付毎日新聞で、「師匠論」を語っていた。適切な指導によって大成した例として、高見山を挙げる一方で、昨今の師匠がらみの不祥事を嘆く。「あまりにも浅はかな人間が師匠になっている」。
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